「xAPIって何ですか?」と聞かれるたびに、私は少し応えをためらってしまいます。
技術仕様の説明から入ると大体の人が3分で目が虚ろになるからです。
そこで最近は、こう応えることにしています。
「昔の学習記録は、教室の座席に座っている時間しか測れなかった。今は、教室を出たあとの学びまで測れるようになった、という話です」
これだけだと禅問答のようですが、種明かしをすると単純です。
従来のeラーニング標準規格SCORM(Sharable Content Object Reference Model)は、ブラウザの中で完結する学習しか記録できませんでした。動画を見た、テストを解いた、それだけです。
ところが人間の学びというのは、実際には研修室の外、すなわち現場でのOJT、先輩とのやり取り、業務中に参照したマニュアル、YouTubeで見た解説動画など、あらゆる場所で起きています。
xAPI(Experience API)が画期的だったのは、「主語・動詞・目的語」というシンプルな文法で、あらゆる学習行動を記録できるようにした点です。
「田中さんが、安全講習動画を、視聴した」
「佐藤さんが、溶接作業を、完了した」
・・・これをステートメントと呼びますが、この文法さえ守れば、アプリでもVRでも現場のIoTセンサーでも、何からでも学習データを送信できます。
xAPIは、米国国防総省傘下の標準化推進組織である ADL(Advanced Distributed Learning)によって仕様策定が行われました。従来のeラーニング標準規格(SCORM)が抱えていた限界を乗り越え、現代の多様な学習データを統合的に収集・活用することを目的として開発された規格です。
そしてこのxAPIの自由度を制御し、LMSで安全かつ確実に運用できるように定義したプロファイル(仕様)がcmi5です。
弊社が「エクステージ/LMS」でxAPI/cmi5準拠にこだわっているのは、この「教室の外の学び」を可視化しないと、そもそも研修投資の効果測定が机上の空論で終わってしまうからです。
次回はこのデータを溜め込む「LRS」の話をしたいと思います。
