
私は20年位前に突然パニック障害にみまわれ、どうしようもない
事態におちいったことがあります。
パニック障害は、突然の強い不安や恐怖に襲われる精神疾患で、
動悸、息苦しさ、めまい、発汗、震えなどの身体症状が特徴です。
時には「死んでしまうのではないか」という強い恐怖を感じることもあります。
当時私は、名古屋で映像制作会社を経営していましたが、同時に東京の企業の顧問もやっていて、日曜日の午後に名古屋から新幹線で東京に向かい、ホテルにチェックインして、翌日の月曜日から木曜日の新幹線終電まで東京の企業で一部署の面倒をみていました。
金曜日、土曜日と日曜の午前中は自分の会社で仕事をして、翌日曜日の午後に東京に行くという生活を1年半続けました。
ある日、いつものように東京に行くべき、名古屋駅の改札を通ろうとした時に動悸、息苦しさ、震えなどが突然私を襲い、自分が小さくなる感覚と共に、「ああっ、このまま自分は死ぬのだな」と思い、その場にしゃがみ込みました。
と同時に、「このままここで死んだら、人通りも多いし、格好悪いな」と強く感じ、気力を振り絞ってタクシー乗り場まで這うようにして移動して、自分の会社まで戻りました。
その後、翌日の昼頃まで寝込んでしまった訳です。
すぐさま、内科、耳鼻咽喉科、脳神経内科など受診し、MRIも撮りましたが、いずれも「どこも悪くない」と告げられました。あきらかに自覚症状があるのに悪くないと言われると、ますます不安になってくるもので、時折おこる発作になすすべもありませんでした。
ある時、とても酷い発作が出て救急で大きな病院に行ったのですが、ここでも医師から首をかしげられ、ここでもか!と落胆していると、帰り際にその医師から「もしかしたらパニック障害からもしれないので心療内科を受診したら」と言われ、ようやく原因が判明して治療することになりました。
パニック障害は適切な治療をすれば改善すると言われ始めてホッとしました。
治療方法は抗不安薬や抗うつ薬などが処方され、あわせてリラックスする方法も実践して徐々に良くなっていきました。
私のようにリラックスする暇もなく、休みなしで名古屋と東京で仕事を掛け持ちして四六時中プレッシャーと緊張にさいなまれていてはひとたまりもありません。
やはり適度に休息をとり、リラックスする時間を意図的に設け、食事と睡眠をきちんととることが肝要です。
その後、すっかり良くなりましたが、時折性懲りもなく無理をすると、めまいがして、パニック障害の兆候が頭をもたげます。そんな時には、処方されている薬を飲んで、しっかりと休息をとります。本当に楽しいことだけを考えて充分に睡眠をとります。
人それぞれ、誰しも弱い部分があると思います。
頭痛持ちや喉がすぐ痛くなる人、風邪をひきやすい人などさまざまだと思います。
私の場合は、無理がたたると自律神経が乱れ、パニック障害の症状が表われるようです。これが私の弱みです。
日ごろの健康管理はもちろんのこと、自分の弱い部分を常に自覚してそれらのケアも怠らないようにしたいものです。やはりなにはともあれ、健康第一です。
