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令和的寛容なレクリエーション

もう、社会情勢的に今は昔、という感のある話題で恐縮ながら…

2019年末に社員旅行兼望年会として金沢へ赴いたお話は以前の記事「金沢 カニ望年会・社員旅行」にてご紹介致しました。

 

カニ三昧に舌鼓を打ちつつ、金沢市内散策、21世紀美術館の見学など地方都市として今尚栄える様子を見届け、これが流石の加賀百万石、と感心して帰って参ったわけですが、これにはこぼれ話がございます。

 

当記事執筆担当、無類の鉄道好きでございまして、金沢といえば、JR七尾線には国鉄時代にルーツのある、北陸鉄道浅野川線には京王井の頭線からやってきた古豪がそれぞれ最晩年の活躍を今尚見せております。

 

そこで思いつきましたのが旅程の自由行動時間を利用して、それらの勇姿を目に焼き付けてこよう、という早い話がどさくさでヲタ活に勤しもうというけしからん画策。

これを社として快諾いただきまして、お言葉に甘えまして好きに過ごして参りました結果をレクリエーションに寛大な社風としてアピールすることで罪滅ぼしにしよう、という邪な気持ちでこれをしたためております。

この世代の車両は、機械の塊とでも表現したくなるような一種物々しさがあり電源が入った状態で佇んでいるのを眺めているだけでも退屈しないものです。

増してや、七尾線の当時現役の2系列はいずれも度重なる改造を経て今に至るもので改造銘板から出自を探る、歴史を辿る楽しみも古株ならではのものでした。

自分の出生年より前の製造銘板を掲げる車両など見かけると、この車両の新車の頃に思いを馳せてしまいます。

 

鉄道趣味は、地理、歴史、電気、技術、政治、経済、法律…様々な知見を養ういい機会を与えてくれます。

加えて、それ自体が旅行の動機にもなるので、生活圏の外に目が向くきっかけにもなっています。

昔から悪目立ちしがちな趣向ですが、鉄ヲタ稼業というのも存外悪くないものです。

 

更に、同好の士とも体験を分かち合いやすいのもいい。

今回は現地在住の旧友と合流、そればかりか今回の旅程に妻の同行も快諾を頂きました。

今思えば大層図々しい申し出のところ、感謝であります。

 

今日日、社員旅行なんて・・とする向きもあろうかとは思います。

実際、恐らく想定された旅程から大幅にコースアウトした人間が言うのも何ですが、自分では思いもよらなかった経験を社会に出てから得られる機会、というのもそうはないものです。

 

行き先まで号令を掛けてもらった上で、行った先での体験はある程度各々の判断に任されている、言わば今時の新旧融合とも言うべき団体旅行スタイル。

大変心地よく、金沢の文化に触れつつ鉄ヲタまっしぐらな旅行を堪能してまいりました。

次は大和路線に乗りたいと希望を残しつつ、締めと致します。乱文失礼致しました。