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500万円のコストダウンは、1億円の売上げに匹敵する

長引く不況の影響もあって、売上げ・利益を追求することと同時にムリ、ムダを省いて、コストダウンを試みる企業が増えています。

 

そこで今回は趣向を変えて、コストダウンの実際のインパクトを具体的な例を用いて紐解いてみます。

 

まず売上げが立ってから営業利益になるまでの一般的な流れを下記します。

 

売上高-売上原価=売上総利益(粗利と呼ばれているもの)-販売費及び一般管理費(いわゆる経費)=営業利益 (本業での儲けを示す)となります。

 

企業の利益をもたらすものは売上げですので、売上げが最初に来ます。売上げは、商品を引き渡したり、サービスを提供したりすると、その段階で計上できます。例えば中古の自動車を100万円で売ったとしましょう。そしてその自動車をお客様に引き渡すと、この段階で売上げは計上されることになります。

 

自動車を売るためには仕入れないとお話にならないので、仮に80万円で仕入れていたとします。それを売ったので売上原価として80万円を計上。100万円から80万円を引いた20万円が粗利益です。

 

しかしこの自動車に掛かるお金は当然これだけではありません。

広告を出した場合の広告業者への代金や、営業担当への給料など、売るための費用である販売費が掛かる訳です。さらに、総務・経理担当の給料を払ったり、会社の家賃や光熱費も掛かり、これを一般管理費としてひとくくりにしてみます。そうすると、先ほどの粗利益から、販売費及び一般管理費を引くと、営業利益というものが出てきます。

 

販売費及び一般管理費は業務により異なりますが、通常売上の10%~20%程度はかかります。この例の場合だと仮に15万円くらいと考えてみます。

 

従って、100万円の売上げがあっても、粗利益は20万円。さらに販売費及び一般管理費の15万円を引いて営業利益は

5万円くらいになってしまう訳です。

 

つまり、5万円をコストダウンすれば、100万円の売上げと同じ営業利益を叩き出したということができます。

 

このように考えると50万円のコストダウンは、1,000万円の売上げに匹敵し、500万円のコストダウンは1億円の売上げに匹敵すると考えれば、コストダウンのインパクトを感じていただけることと思います。

 

もちろん、業種・業態によって、差はありますが、こうした例で示すことによってコストダウンの重要性を分かって頂ければと思います。