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修養にもスタイルは様々あり

当ブログにて、予てより話題になっております週休3日制。

 

詳細は当社代表井手からの 「ジンジャーアップは完全週休3日制にして1年が経ちました」 をご参照されたく存じますが、ここで掲げます「1日休養、1日教養、1日修養」、すなわち頭や体だけでなく心も鍛えよう、という方針に則るという体で「メンタルをリフレッシュするための活動も事業に間接的に関わる!」などと御託を並べつつ、法人のブログで趣味の話に興じよう、という不良従業員が今回の執筆担当でございます。お目汚し失礼します。

 

コロナ禍のもたらしたもの。

当社では週休3日制が挙げられるわけですが、社会情勢的にはパブリックスペースでの活動制限が目立ったところではないでしょうか。

巷では、公共交通機関に頼らず移動するために、都会で中古車の需要が旺盛になったという話を耳にしました。

 

都区内でカーマニア稼業をやっていますと、年々、交通網が整備されるにつれて隠れキリシタンのような立場に追いやられている感がありまして、ここへ来てのクルマが着目される事態に戸惑いすらあります。

 

ただ、世の中の趨勢に乗じて言ってしまうと、いつぞやの豊田章男さんのコメントの如くガソリン臭くて音がいっぱい出る車が好き!と堂々と言える世の中であってほしい。

 

1台1台調子が違う内燃機関の面倒を見ながら、車と対話して走らせる行為は十分ひとつの文化足り得ると信じてやまない故、ドライバレス化が進む現在の道具としての車のあり方に一抹の寂しさも覚えます。

 

イグニッションキーを捻ってセル音を聴きながらエンジンの目覚めを体で感じ、アイドル回転が落ち着いてきたらクラッチを切ってギアをローに入れ、クラッチペダルを戻しながらアクセルを煽って車体を前に出す、と古のMT車の起こし方をざっと書き並べるだけでもいかにも面倒に見えますが、この面倒にこそ魅入られてしまう。

慣れるにつれて、次第に自分の意志を車に伝える為の大切な手段に思えてきます。

 

加えて、加速Gにエンジン音、ハンドリングの応答性など、五感にレスポンスが返ってくるわけですから、退屈してる暇がないんです。

しかもそれがメーカー・車種ごとに味付けが違う。

これが趣味性の奥行きを生んでいるわけです。

 

ただ、この20年でそのバリエーションにも陰りが見えてきていることは否めませんで直列6気筒エンジン搭載のMT車や直列4気筒エンジンの軽自動車なんてものは極めて趣味性の高い存在と感じているのですが、新車ではとうに姿を消しています。

ロータリーエンジンも惜しまれつつ生産を終了して久しい。

大体、趣味性と実用性は相反関係にあって、需要が陰るとこういう存在は真っ先に整理されてしまうものだけに、景気の動向とともに寂しい話が続く時期を耐えていたマニア勢は、少なくないものかと思います。

 

そればかりか、もう長らくMT車そのものがその対象に加わりそうな情勢だったところ、ここ数年は国内外各メーカーとも、日本市場へ再び積極的に投入してくれるようになっています。

まだガソリン車に乗っていていいんだ、許された!と、一筋の光明を見たような気分です…

 

ということで、減ってきたとはいえ現状ではそういう濃密な付き合いを許してくれそうな車種が、まだ各メーカーからリリースされています。

 

必要がなければ家から出ずに一日を終えてしまうのが業種によっては当たり前になりつつある昨今、大事なのは、楽しい、と思える体験を積極的に発信して共有することじゃないかと考えます。

 

だからこそ、今だからこそ間に合う、のかもしれない一見面倒にしか思えない、気難しそうなガソリンMT車のススメですが僭越ながら、拙文を御覧いただきました皆様の生活に少しでも彩りを添えるためのきっかけになれば、と願うものです。